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全国500社以上の住宅業界専門コンサルティングをさせていただいております。よくぶつかる課題が、今回のテーマである「所有と経営」。そしてエージェンシー理論についてです。中小工務店、設計事務所においては、株主(オーナー)と経営者(代表取締役)が同一であり、所有(株主)と経営(経営者)が分離されていないことが一般的です。
中小ビルダーは、所有と経営が同一である。
これには、メリットもあるが、そのデメリットにより企業利益、企業寿命を短縮してしまうことが一般的です。
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今日の結論
所有と経営の一致により、
企業成長を阻害するのが中小企業。
所有と経営の人格を分離し、
企業発展を担うのが中小企業経営者の使命。
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ここでは、「エージェンシー理論」と「エージェンシー問題」を理解することが重要です。
●エージェンシー理論とは
株主から企業経営を依頼された経営者が経営責任を全うすること
●エージェンシー問題とは
一般的な大手企業では株主から経営者が選ばれます。株主は、中長期的な利益を追求する。任期4年を設定されて経営者(エージェンシー)は、任期での業績責任があるので短期的利益を優先する。これにより株主と経営者の利益が相反することをエージェンシー問題といいます。
では、中小企業の場合どうでしょうか?
所有と経営の一致のメリット・デメリット
デメリット
オーナーとしての立場を優先するがゆえに、痛みを伴った経営改善を実施できず、行き当たりばったり経営になる。しかし、目先の利益、生涯利益は担保されるのでそれでOKとなりがち。しかし、本来企業が企業経営者が担う経営責任を放棄しており、改善により得られる利益を捨てることになる。
メリット
株主と経営者が同一なので、短期的な収益を追わなくて良い。中長期的な利益を優先し、5年、10年スパンで企業経営をすることができる。短期戦略を取らざるを得ない大手ハウスメーカーと差別化し、競争優位性を確立することができる。
では、中小ビルダー経営の実際はどうでしょうか?
弊社にご相談いただく住宅会社でよくある3つのケース
Case
1:経営改善できない
株主として生涯利益が見込めているため、プロダクトライフサイクルが成熟していても経営改善できません。集客、単価、粗利は落ちているが、目先の利益を失う改革よりも確実に取れる利益を確保することが優先されます。企業経営よりも、株主利益が優先されてしまいます。
2:組織改善できない
株主として生涯利益が見込めているため、組織ライフサイクルが成熟していても経営改善できません。長く勤めてくれている、過去売上を作ってくれたなど、過去に対する評価や感情が優先されています。未来の企業づくりよりも、今の延命が優先されます。
経営者は、企業を発展させる経営責任を追っています。
しかし、株主としての目先の利益、獲得見込み利益、生涯利益が優先されるが故に、経営改善、組織改善ができない。これは、自分の利益を優先し、経営者の責任、経営者の使命を放棄してしまう事態です。しかし、多くの中小企業において、この問題は多発しています。
企業発展のために
正しい経営決定を
A:株主オーナー
B:経営者
この2つの人格を分けて判断する。これが重要です。分けていないからこそ、感情で判断してしまう。限定合理的な判断をしてしまいます。経営判断は、株主の立場はおいておいて、プロ経営者としてせねばなりません。その決断は、結果、株主オーナーの価値を最大化します。正しい経営は、中長期的な利益と生涯利益を最大化するからです。
一番の悪は、オーナー視点で、自分の目先利益を優先し、企業としての発展・変革を阻害することです。経営改善、組織改善を感情でできない結果、企業の可能性を、社会価値を阻害することになるのです。
このような課題はありませんか?
・所有と経営を分離した企業経営をしていきたい
・ホールディングス体制をやっていきたい
・M&Aを1つの道として考え始めている
・株主であるが故、経営者としての決断に迷いがある
・事業継承を考え始めている
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