ー 住宅業界No.1の経営戦略パートナー
みなさま、こんばんは。
よく、会社の売上を上げるために営業研修を受けるんだよ!という社長がいらっしゃいます。でも大抵の場合、そんな研修を受ければ契約率は上がる理論は無意味に終わります。確かに研修は効果的に働く場合もありますが、受ければ売上があがるという期待は無駄でしかありません。
契約率は何によって決まるのでしょうか?少なくても以下の3つが明確である必要があります。
①どんなステップで契約まで導くのか?
②各ステップで何を行い、どう導くのか?
③広告での役割、各ステップでの役割は何か?
を明確にする必要があります。要するに、経営者が描いた設計図の時点で契約率はほぼ決まっているのです。その設計図に基づいて、各スタッフに求められる能力が全く異なります。隣の会社が、接客研修を受けたから、友人の会社がFP研修を受けたからといって真似しても、そもそも自社に必要なものを受けさえ無ければ意味がないのです。
しかし、多くの企業では、そもそも広告から契約までの設計図が不在で、研修さえ受ければ会社の契約率は上がる。という期待的観測で研修が導入され、スタッフは経営者の思いつきに「また始まったよ…」と飽き飽きしていることが多いものです。
例えば、
①資金とプランの相談来店を指定する広告
②お金の専門家による資金計画
③土地探しの専門家による土地探し
④設計士による間取りと外観の設計
⑤仮契約
⑥コーディネーターによる仕様決定
⑦契約
という設計図を描いて契約率24%、平均単価2000万円、粗利28%という設定をしたとしましょう。
この設計図の場合、契約率を決める要因は、
●相談来店を促す広告戦略(経営者の仕事)
●資金計画による総予算の決定
●土地探しから決定への流れ
●設計から仮契約
の4点くらいが大きなポイントになるかと思います。だとすればフレーミング研修とか、注文住宅パース研修より先に必要とされるのは、資金計画から事前審査につながる営業、土地探しから最短で土地を決める手法、設計から仮契約への流れをしっかりと磨くことです。「求められる能力が明確になって始めてトレーニングが決まります」。しかしながら、大した設計図もないまま、何が必要かも不明確のまま、ひたすら研修を受ければいいという行き当たりばったり経営をしていては会社が伸びることは運頼みでしかありません。
また何でもかんでも集客数をふやせば良いのではなく、せめてこの会社の場合は資金相談を増やさなければ、初回接客での設定が異なってしまうのでスタッフが対応すれば当然に離脱率が高くなってしまうのです。でも集客すればいい、あとは何とか決めてくれよという会社がいかに多いことでしょうか。
3割打つ打線を作ることが監督(経営者)の仕事であるにも関わらず、多くの中小企業の監督は、「毎日バットを振れ」、「とにかく点を取れ」という指示しかしません。スタッフも成長できないし、打線も永遠の2割打線。闇雲に研修に派遣しても打線は完成しません。
まずは、会社の設計図を作り、その設計図にあったトレーニングを明確にし、スタッフと共に成長して会社を作って行くことが経営者に求められます。実際に設計図策定後に研修を行うことで、社員5名で年間7棟の会社が翌年には社員数同じママで年間24棟という事例はざらにあります。無計画経営は終わりにして、自社独自の設計図を描くことから始めましょう。