住宅業界における「タイムベース競争戦略」

投稿日:2017年05月16日

タイムベース競争戦略

 

かつて日本製造業が世界で勝っていた時代、その「勝利の源泉は時間にあり!」とされ、BCGに徹底研究され、その戦略は米国企業で徹底して運用されていった。時間短縮による「タイムベース競争戦略」は、①コスト削減、②顧客価値の向上の2点において有効である。

 

もっとも象徴的な出来事は、「HY戦争」と呼ばれるホンダVSヤマハのオートバイ市場における戦いである。こと、住宅業界に目を向けても「タイムベース競争戦略」は有効である。

 

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①コスト削減
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 初回接客からお引き渡しまでの期間を3ヶ月にすることで、高い生産性を発揮し、1人当たりの生産性、1棟当たり利益を最大化している企業がある。この会社では、デザイン企画住宅を開発し、初回接客から契約までの期間を短縮。設計から施工、お引き渡しまでのリードタイムを短縮することで利益率の高い企業経営をしている。

 

【バリューチェーン】
初回接客→プラン提案→ご契約→設計→施工→お引き渡し

 

初回接客からお引き渡しの期間を、競合の6ヶ月に対して、3ヶ月とすることでコストを削減し、生産性を最大化することができます。

 

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②顧客価値の向上
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 では企画が有利で注文が不利かといえばそんなことはない。注文住宅でもオペレーションを組むことでリードタイムを短縮することはできる。さらに一番のメリットは市場への適応速度と顧客価値の最大化である。企画住宅を扱ってしまうと、市場のニーズに対して商品開発に時間がかかるので、どうしても対応に時間がかかる。しかし、自社設計、自社施工の注文住宅を手がけている会社にとっては、平屋、和モダン、ボックスなど市場ニーズに対してすぐに広告を打ち、サービスを開始することを可能とします。

 

【バリューチェーン】
市場調査→開発→(広告)→設計施工→完工(事例)

 

開発から設計施工までの期間を最短化することで、市場に適応し、競合との市場へのサービス提供速度で差別化することができる。ポジショニングをする上でこれは非常に重要である。どんなに生産性が高くても動的な市場に対して常に優位のポジションを取れなければ、結果的には企業を成長させることはできからである。

 

自社の経営に「タイムベース競争戦略」を活用することはできないか?

あるいは競合他社と比較して、どうすればより生産性が高いビジネスモデルを組めるか?どうすればより顧客価値の高いサービスを提供できるか?その改善の積み重ねが企業の優位性になるのである。

2017年5月16日 投稿|     

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