ビルダー経営における商品乱立症

投稿日:2018年08月17日

 

今日の概論

ビルダー経営のための「マスターブランド戦略」と「マルチブランド戦略」

 

最近、全国ビルダーで30億円の壁にぶつかっている経営者の方から、多くご相談をいただいております。そして共通の課題が、「商品乱立」による生産性の低下です。商品ラインナップ拡大による単価・ポジションの低下を引き起こし、企業ポジションを曖昧にしてしまっているというお悩みをご相談いただきます。

 

 

 

商品拡充の目的
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・売上シェアを拡大したい
・組織の生産性を高めたい
・お客様から見た買いやすさを高めたい

 

 

起こっている結果
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・単価・利益率低下に伴う売上ダウン
・商品乱立により営業・施工生産性ダウン
・お客様から見て商品がわかりにくい

 

 

経営者の声(実例)

「社員の生産性を高めて上げたい、お客様が選びやすいようにしてあげたい。良かれと思って商品ラインナップを増やした結果、お客様から見てわからない、社員からみてやりにくい、競合にポジションを侵略されてしまった。」

 

「元々は平均単価2500万円で注文住宅で選ばれていた。企画住宅、定額住宅、不動産と多角化することで顧客も営業も易きに流れて単価が落ちてしまった。それでいて企画・定額でありながらお客様の声に寄り添うことで生産性も低い。結果、平均単価が2000万円まで落ちて粗利益も低下。企業優位性が弱り、競合に負ける事が増えた。」

 

 

 

 

処方箋
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「マスターブランドを作り、ブランドシャワー効果を発揮する」

 

まずは自社のポジションを再定義すること。
選ばれる会社になるために、単価2500万円でのシンボルハウスを定義してマーケティングを行う。これによりマスターブランドを確立します。そして、元々想定していた単価の合わないお客様は、「事業を分けた」不動産側で企画住宅なり、定額住宅なりを提供する。乱立させるのではなく、まず勝つべきところで勝ち、ブランドシャワー効果を発揮して別事業部に紹介することで企業成長をけん引した事例も多くございます。

 

ステップ1
自社のシンボルブランドを作る
勝てるポジションを定義し、シンボルハウス+キャッチコピーでマーケティング活動を実施
(※マスターブランドの構築)

ステップ2
取りこぼしている単価ゾーン(例えばローコスト)や事業ゾーン(例えばリノベーション)の商品を展開し、マスターブランドを活用して事業を展開する。(※ブランドシャワー効果:マスターブランドの認知度、ブランド価値を活用することで、他商品/他事業のブランド価値を高める)

 

明確な役割分担を持たせた商品により、事業部を分けて展開。マスターブランドからの紹介により、各商品、各事業への投資金額を抑えつつも、競争優位性を発揮する

 

 

 

経営者の方針決定

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大切なことは、経営者が「マルチブランド戦略」でいくのか?「マスターブランド戦略」でいくのか?を決定することです。マスターブランド戦略でいくのであれば、シンボルハウスによりマスターブランドを作り、全ての商品、全ての事業にブランドシャワー効果を発揮させ、企業としての強いブランドを作ることが必要になります。一方で、マルチブランド戦略でいくのであれば、各ブランド責任者を育て、投資回収効果を落としてでも別ブランドで商品展開をしていく必要があります。

 

乱立している企業で生産性を落としている場合、「マスターブランド戦略」でいく経営方針でありながら、様々な商品を購入し、つぎはぎの足し算をしていていることで、全く優位性の無いマルチブランドになってしまっている会社が多いように見受けられます。

 

 

ブランド戦略の定義

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【☆マスターブランド戦略とは】

上位の強力なブランド(マスター・ブランド)を冠し、配下に多くの商品をぶら下げることで全商品のブランド価値を最大化できる。1つのブランドにマーケティング資源を集中投下でき、効率面である。一方で、1つのブランドに依存することになるリスクがり、成長の限界といったデメリットがある。ヴァージングループ、ナイキ、ホンダなどが、この戦略を採っている。

 

【★マルチブランド戦略とは】

同一カテゴリーに、複数商品ブランドを展開することによる市場シェアの獲得を目指す。また、ブランド間のリスク分散による安定性といったメリットがある。一方で、マーケティング資源の分散投資により非効率が懸念される。ネスレ、P&G、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)などが、この戦略を採っている。

 

 

・自社の商品ラインナップを整理したい
・マスターブランドの作り方を教えて欲しい
・ブランドシャワー効果の作り方を教えて欲しい
・30億円の壁を突破するブランドポートフォリオを明確にしたい

 

など、事業、商品のブランドを整理し、強いブランドビルダーを目指していきたい経営者の方は、お気軽に「無料の経営相談会」をご利用下さい。他社成功事例、よく当たる課題などをお伝えさせていただき、貴社に見合ったブランド戦略をご提案させていただきます。

2018年8月17日 投稿|     

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