工務店は年間30棟を目指してはいけない

投稿日:2017年03月09日

多くの工務店やビルダー様を実際に見て、年間棟数でざっくり分類すると、
下記のように分類できます。

 

○ ~10棟未満
○ 10棟~30棟未満
○ 30棟~50棟未満
○ 50棟~100棟未満
○ 100棟以上

 

上記の区分で一番利益が出るのはどの規模でしょうか?
工務店経営者様は体感値でお分かりかと思いますが、

 

○ 10棟~30棟未満

 

が最も儲かります。
この棟数はだいたい売上4~7億規模。少人数での運営がなされ、エリア認知もそこそこ。
組織内でもある程度の仕組みが整い、経営者が現場を見ながら時間をつくれます。
そのため余裕もあるし、粗利もけっこう残るので居心地がいいのです。
また、メディアに持て囃されるのもこの時期。全国からの企業視察などもあり経営者は気分がいい。
だからこそ、多くの工務店経営者は「まずは年間30棟」を掲げることがよくあります。

ちなみに、他の規模も解説をしますと

 

 

○ ~10棟未満

エリア内での認知はないに等しい。
そのため、利益があっても廃業のリスクが伴うし、何よりこの規模は、
経営者が売り上げを稼いでいる状態なので、個人商店と変わりません。

 

 

○ 30~50棟未満

この規模は、1組織では賄いきれない規模になってきます。
2エリアでの展開を必要とするため、人員を増やさざるえず、
人件費や採用費などで利益が削られることになります。

 

 

○ 50~100棟未満

2エリア以上の展開や、別ブランド展開が必要になってきます。
この規模では、人件費、採用費に加え教育コストが必須です。またこの規模は、
エリアトップビルダーであることが多いため、宣伝広告費への投資額も大きくなってきます。

 

 

○ 100棟以上

全国での認知も高まるTOPビルダー。
ここまでの規模になるには、経営者と同じ考えを持つ経営幹部が
2人以上必要になってきます。
また、ここまでくると、組織として自動的に回り始めるため、
経営者の時間が取れるようになると同時に、利益も大きく安定し始めます。

 

 

弊社では、この最も儲かる「10~30棟未満」が最も危険だと考えています。
お金もそこそこあり、全国からベンチマーキングに訪れられ、
経営者が外的要因により最も悦に入りやすい規模だからです。
着工棟数が落ちる今後は、年間30棟を継続的に受注していくほど難しい戦略はありません。

 

事業継承が難しい今、M&Aの流れは確実に住宅業界にも拡大していくでしょう。
小規模な会社が見向きもされなくなり、大手や公職など安定した企業に人は流れます。
だからこそ体力のある時に上を目指さなければ先はありません。
業績下降に気づいた時にはもう手遅れです、その時に取り組んだ事業やアクションは
ほぼ100%失敗しますし、立ち上がることはありません。

 

余裕があるときこそ、危機感を持って次の手を考える。
これこそが本物の経営者のマインドです。
私たちは、今現在年間30棟である工務店経営者様が、
早くこの事実に気づかれることを願っております。

 

inomarketino 佐藤

2017年3月9日 投稿|     

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